「楽しくなければ野球ではない」
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参照記事の要約
全日本軟式野球連盟、日本サッカー協会、日本バスケットボール協会、日本ハンドボール協会、日本ラグビーフットボール協会、日本スポーツ協会の6団体が「BALANCE IS BETTER JAPAN」を始動した。子どもの運動機会減少、体力の二極化、早期専門化によるオーバーユースや燃え尽き、勝利至上主義、暴力・暴言などを共通課題に設定。マルチスポーツ体験、共通の育成・普及プログラム、指導者養成カリキュラムへの反映、競技を越えた研修や人材交流を進める。6団体が子どものウェルビーイングを軸に協働する初の枠組みとされる。
野球だけで子どもを囲い込まない。その宣言を全日本軟式野球連盟が、サッカー、バスケットボール、ハンドボール、ラグビーの統括団体、日本スポーツ協会と共に出した意味は大きい。競技人口が減ると、各団体は自競技への勧誘を強めがちだ。今回は、早期専門化による使い過ぎ、燃え尽き、勝利至上主義、暴力や暴言を共通課題に挙げ、子どもが複数の運動に触れる環境をつくろうとしている。野球を残すために、野球以外を選べる余白も守る発想だ。
計画には、マルチスポーツ体験会、競技間で共有する育成・普及プログラム、指導者養成カリキュラムへの反映、競技を越えた研修と人材交流が並ぶ。イベントだけではなく、指導の仕組みまで共同で変えようとしている点が肝になる。投げる、走る、跳ぶ、相手を見るといった動きは競技をまたいで育つ。小学生の段階から週末を野球だけで埋めず、季節や曜日で他競技も経験できれば、特定部位への負担を分散し、本人が得意な動きを見つけやすくなる。
現場で最初に見直せるのは、他競技との掛け持ちを「覚悟が足りない」と扱う文化だ。家庭には送迎、費用、当番の限界があり、子どもにも友人や学業の時間がある。所属日数の少ない選手を冷遇せず、欠席しても戻れる練習設計にすれば、退団か専念かの二択を迫らずに済む。指導者同士が競技を越えて学べば、野球界の常識だけで判断する危うさにも気づける。ライセンス研修に安全、発達、ハラスメント防止の共通知識を入れる構想へつなげたい。
発表されたのは出発点で、評価はこれからだ。参加団体数やイベント回数だけでなく、子どもの継続率、負傷、練習時間、掛け持ちのしやすさ、保護者負担がどう変わったかを公開してほしい。チーム側も、月に一度、別競技の指導者を招く、練習前の遊びへ他競技の動きを入れる、年間予定を早めに共有するといった実践から始められる。野球を選び続けてもらう道は、野球だけを強いることではない。楽しいから戻ってくる場所を、競技団体同士で広げていく取り組みにしたい。
